工場労働の「地獄」とは、精神的なものだ。
肉体を酷使されるために辛いと感じるのではない。
そこに充実感が伴えば、さほど辛さは感じないだろう。
しかし、それがまるでない作業というものもある。
たとえば、ライン作業である。
生産ラインと向かい合って一日中同じ作業を繰り返す。
思考力など一切必要ない。
目の前の単純作業を飽きずに何百回もやり続ける。
むしろ「なにも考えない」という能力が求められる。
機械の歯車のように一定の作業を繰り返し続けるだけだ。
毎日、なにも変わらない。
昨日と同じ今日が終わり、今日と同じ明日がやってくる。
虚しさと疲労だけが日毎に蓄積されていく。 
これは恐ろしい。 
 

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