職業訓練、十三日目。
朝、スーツを着て家を出る。
歩き始めると途端に汗が止まらなくなる。
猛烈に暑い。
それでも少しだけ風が気持ちよかった。
上着は脱いで手に持った。
教室に着くと、他の生徒も皆スーツを着ている。
持ってきて着替えているものも何人かいた。
授業が始まると、簡単な練習問題を出され、すぐに自習となった。
それから三人ずつ順番に別室へと移動していった。 
ぼくが座る席とは反対側の前列から順に呼ばれていく。
与えられた課題は二時間も経たず終わってしまい、ほかにやることもないのでネットで時間を潰した。
午前中が終わっても順番は回ってこず、昼飯を食い、少しだけ睡り、一時過ぎになってようやく呼ばれた。 

隣の教室にはカメラの機材がいくつか置いてあり、業者の人間は四人いた。
壁に白い幕が小さく垂れており、それを背に椅子が置いてある。
部屋へ入ると、撮影の流れを軽く説明され、最初にぼくが席に着いた。 
ただ座ってカメラを見つめる。
顎を引けだとか顔をずらせといくつか指示が出たものの、とくべつ難しいこともなく、五分ほどで撮り終えた。
自分の番が終わると元の教室へ戻り、またしばらくやることがない。
眠たかった。
休憩時間になるが、席を離れず机に伏せる。
なにもない時間が過ぎて、終業になり、教室を出た。
きょうは勉強した気がまるでしない。 
言われたことはちゃんとやっている。
しかし言われたこと以外はほとんどなにもしていない。
もう少し時間を有意義に使いたい。 
有り余る自由時間をどうしてよいのかわからない。
ひとりで、なにか勉強すればいいだけなのだけど。